大判例

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大阪地方裁判所 昭和38年(ワ)3730号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕ところで、およそ土地の所有権は当該土地を使用収益する権能を有することは縷説を要しないところであつて、この土地の使用収益は、その土地から自由に公道へ出入りすることが出来て始めて可能なのであるから、この使用収益権能には当該土地から公道へ自由に出入りしうることをも含むものと解しなければならない。このことは、その土地が直接公道に面しない所謂袋地についても同様であるが、唯この場合は囲繞地の土地所有権による制約を受けるに過ぎない。民法の袋地の囲繞地通行権に関する規定は、土地所有権にこの権能を認め所有権相互の調整をはかつた規定とみるべきである。従つて直接公道に接する土地の所有権者は、公道に接する如何なる地点からでもその公道に出入りすることができるのであつて、これを妨害することは、たとえその妨害が公道上に設置された建物その他の構築物によるものであつても、所有権の内容をなす使用収益権能を侵すものであつて、土地所有権者は妨害排除請求として、その収去を求めることができるものと言うべきである。

成程、一般に、私人が公道を使用する権利、利益は被告の主張するように、いわゆる反射的利益であつて、権利ではないと言いうるけれども、公道に直接面した土地のいずれの地点からでも道路に出入りすることは、唯単に公道を通路として使用すると言うだけでなく、当該土地所有権の内容であるその土地の使用収益権能の一部をなすものであるから、いわゆる反射的利益にすぎないものではない。(喜多勝 大和勇美 庵前重和)

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